役所勤め/いまじん
 
役所勤めの毎日
わずかながら東京という
街のあり方に関わる仕事の中
この街の繁栄は日々まぶしい

街の風は今日も温かく
住む者を養ってくれる
金融や株式だとか
汗まみれの労働や
東京は畑の土壌のように
あまりに豊かすぎる

巨万の富はこの都会に集まり
投資の術でいくらでもそれにありつける
万般の分野の知識も手に入り
芸術や舞台は毎夜劇場をにぎわす

役所勤めの私の
労働の日々も東京の現実だ
東京という揺りかごで
あまりに守られすぎた勤労も

あらゆる野心や希望を
吸収できる力を持っている東京
この都会の風をいっぱいに吸って
小さな旗を掲げる一人になってみたい
文化と、マネーの息吹を身に受けて
その恵みを満喫してみたい

東京の住民の生活を
底辺で支えながら
特権あふれた役所勤め
暇と金を膨らましてゆく

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