それはかなしい世界の音。/哀詩
 
 
T−シャツを脱ぐ一時に見える下着の色を
あなたはしっている。
甘い感度をもってしての攻撃には
いつも眩暈がして 視界はまっくら、
可聴域は良好、あなたのもらす声だけは落とさないわ

あたたかな果実をまるめこんだら
きっとそこはふたりの世界
あなたがある、そこにあたしがあって
(思考域があなたに侵され、満たされていく)

ねぇ、あなたがほしいわ。
それだけで良いの。
(授業だって、先生の話だって友達の話だって入る隙間もないぐらい)
夢中だといってあなたが信じてくれるとは思わない
だってあなたは何も知らないでいるのでしょう
皮肉的にもあなたの名前があたしの
(世界一愛した人と同じだということだとか)
あたしがあなたを愛していることだとか。
 
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