ドーナツの星/はな
{引用=
金色が ふる
まちがすこしずつ
つめたいもようをかさねた ゆうがたのこと
きみが
道路の真ん中で
おおきく手をふっている
さけぶ声はきこえなくて
きらきらと ざつ音ばかり ひかる
冬なのに
汗かいてる
泪でくもる きらきらとゆれ
歩道橋が
そっと宙に浮かんだ
「もういいかげんにして
おふろからでたら?」
とびらのむこうをふさぐあなた
ながくながく
たちのぼってゆく湯気のなかで
ただ
どこかの
ちいさな声を ききたかった
つまらないことで
さみしくなる
きみからの電話のさいごが きゃっち
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