愛しみ/
かのこ
さっきから押し黙ってばかりいる私の
ばかばかしい淋しがりに気付いて
なお不安定な距離感に揺れながら
愛にまかせて微笑っているのはふたり
希望に恐怖が染まる頃
恐怖は色鮮やかに花開いて
枯れることも厭わずに季節が
ゆっくりと進行すること
晴れの日も雨降りの日も
見上げているよ
その横顔にそっと
触れるようにと
その恐怖は希望に見えた
あまりに眩しすぎて
枯れることも厭わないからと
ふたり抱きしめていた
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