ただ走って/
いまじん
いつの間にか
私たちは忘れてしまった
追いかけっこに
夢中になっていて
周りを見れば
誰もいなかった
ただひたすらに
走っていたから
疲れ果てて
たくさんの時間が過ぎた
数の計算に
日々夢中になって
頭はぼんやり
大切と思ったものも
とるに足らないものだった
何も変わらなかった
野の花も
一人の友も
星空も
そして本当の仕事も
忘れてしまっていた
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