秋が夕暮れ/
雨宮 之人
夜の底へ
冷えて低く這う空気
くるぶし辺りを撫ぜて
そんな空気が僕は大好きで
まるで終わらない空を背景に
風に、ささやかな歌声が、乗って
それは、愛?
確かめるすべを僕は知らない
あくまで優しい一日
時は、過ぎる
夢を、見た、夕焼けの空
神社の境内で欠伸(あくび)した猫
どこまでも、終わらないみたいな空がそこにあって
彼はそこで、ニャァ、と、鳴いた
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