腐った魚の眼に映るのは、脚のないイタリア人のカウパー/※
空は
誰のものでもない美しさを携えているから
弾幕に汚れた視界の先に
ここには希望があるよ、と照らしてくれるけれど
僕の
指先が触れられる距離にあるのは銃口くらい
羽ばたく鳥を何度も握るけど
マジックのコインみたい、開けば何もないんだ
違うのは、誰も驚かないことくらい
もう、誰も
驚くのに疲れたみたい
雲が
近所のパン屋さんの煙突から僕の元に届けられて
バターの替わりに
オリーブオイルを塗って、食べてみた
白ワインで喉の奥へと包み込めば
ジェンティーレ、
優しい味がするね。
にこにこと
一匹の蝸牛がコルテーゼの葉の上から
ミルク片手に微笑んでいる
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