夢/
城之崎二手次郎
見覚えのある風景だ。体育館の裏。ポケットには呼び出しの手紙。セーラー服の彼女があらわれた。不安そうな顔で僕を見る。なぜだろう、この申し出を断った気がする。もちろんOKだ。そのあと同じ大学に合格。就職先は異なったが関係は続き、結婚。こどもが三人できた。そして今、家族に看取られる。幸せな最期だ。ふと目を開けると、ビニールテントの中だった。ああ、あの時頷いていればよかった。私はひっそりと死んだ。
あとがき。
二〇〇字物語第四弾。
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