壁の日付/平
アウトプットとインプットは表裏一体だ。
排出されなければ装填されないし、
装填されるものがなければ排出も促されない。
その二項の循環で、世界や社会や人間や、
疲弊した客を無闇に迎え入れては吐き出し続けるドトールコーヒー、
駅前の立ち喰いそば屋は成立している。
それでも、濃く抽出されすぎた焦げたコーヒー豆の匂いや、
茹でおきののびた麺を毎日摂取する疲れた個人レベルにおいて、
アウトプットもインプットも滞るほど、
内臓が擦り切れるほどに心底つらく、どうしようもない出来事群に直面したとき、
その擦り切れ果てた個人が唯一行えること。
それは悪夢と脂汗にまみれた惰眠であり、
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