最期まで/哀詩
 
終わらせないで、
もっともっとこちらを見ていて なんて
(女々しいのは似合わないの、あたしはレディー)

呼吸ひとつをキスに変えてほしい
あなたの二酸化炭素、酸素、窒素、その他すべて
あたしが吐き出さないでいられたら良い。
(つまるところ呼吸の内吐き出すという行為をしなければ良い)

最期はの一息はそうして終えたら良いわ。
(八十歳になった最期の一時にキスのおねだりをしているの。)

でもきっといつかあたしの息だって白くなって、
あなたを忘れる季節がきて
あなたには彼女のできる時分が訪れるのよ。

そんな時あたしは
(もう二度と会いたくない)
と格好良く振り向かずに去れる、そんな女で在れば良い。

 
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