独白/風見鶏
自由詩を書くに当たって一番初めに驚くことは自分の中の語彙の無さにだが、それ以上に驚く事がいくら思考を張り巡らせても今記すべき題材が見つからない事だ。これでも自分は趣味の範囲でだが創作活動にも手を出しているし、自分なりにいわゆる文学的技法に対する拘りのようなものは持っているつもりだ。そんななかで題材に困るという事はすなわち、自分の人生がいかに薄っぺらく起伏の無いものであるかを物語っているのだが、では近年詩人や文学人を自称する多くの人々の全てが本当の意味で自らの感情(或いは感性)に対して文学的なアプローチを試みているのかと言われれば、それははなはだ疑問に思う所だ。
例えば自分が花の美しさや宝石の
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