おやすみ/
大覚アキラ
底なしの真っ黒な空に
銀色の鳩が
ゆっくりと堕ちてゆくよ
小さな子どもたちは
遠くに旅立つ準備を済ませ
みんなで手をつないで
風に向かって立っている
大人たちは
かすれた口笛を吹きながら
寂しそうにそれを見送る
冷たい風が
頬に流れる涙を吹き飛ばして
いっせいに光を放ったら
それが
世界が目を閉じる合図
おやすみ
おやすみ
いつかまた会う日まで
戻る
編
削
Point
(5)