ジギタリス/ピクルス
 
た。
看護婦さんは、泣きながら必死で叫んでいる。

『…依子、ごめんね。水は無いんよ』
『…か…ちゃ。あたし…がまんする』
『依子!』
『あ…し、いいこ?』


それきり娘は何も云わなくなった。
私は、娘の小さな頭を撫でながら、
子守唄を歌った。
いつまでもいつまでも、歌った。






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「ジギタリス・ソレイユ」
 
『…ねぇ、おとうさん』
『ん?』
『あのね、私、つき
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