「 なりたい・2 」/椎名
初夏の風に葉をさわさわと揺らせて
静かに佇む一本の木
強くなってきた日差しに
きらきらと輝く葉
いつからそうしてそこに立っているのだろう
行き場の無い想い抱えて窓の外
目をやれば静かに微笑んでいる
根元にはベンチがひとつ
団地の子供達が遊び
母親達が集う
爽やかな木陰を提供し
目には優しい緑の葉
地面にしっかり根を張って
堂々と立っているが
おまえは悲しいとか
寂しいとか感じたことはなかったのだろうか
何も語らず
ただ静かに佇んでいる
風を受け
太陽を見上げ
雨が降れば黙している
あんなふうに
なれたら
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