運命共同体/九鬼ゑ女
 
淫らを着飾った少女の懐に         /みだら
報酬がイイワケを押し付ける夜    

遮断された感覚がしつこく蘇る

いいかげんの蔓延した景色が
記憶という車窓を通り過ぎるたび
うんざり顔で目を閉じるものがいる

待っているのだ
食らいつくものの正体を見破るために

自分の喉の奥で辟易という言葉が
ゆっくりと伸びをする

付き纏う現実は 底なし沼
誘き寄せられるように ずぶずぶとからだが沈む  /おびき

言いようの無い不安にあげあしを取られ
走りだすのは アドレナリン
躓くのは  DNA         /つまずく
立ちふさがるのは 現実

浮浪者を追い駆けた少年の目に
哀願がムナシサを血に染めた朝    

駁論が世界制覇に立ち上がる    /ばくろん


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