大通りに、投げる/水町綜助
 

運ぶことはせずに
そのつまびらかな線に
僕をも綴じ込んで
吹き流れるなかに
捨て去れ
そうしたら膝を抱えた幼女のように
ちいさく
丸まりながら落ちて
柔らかく壊れるから
声も
押し殺して

だが
秋が来ても
ぼくは
こうしてまた
はにかみわらいを
つくりこんでいる
だから
かわりといっては何だけれど
きりさめが
陸橋にもまた
音をたてず
降りしきって
新しい季節のあくびに混じって
まどろんでいたから
目を細めたぼくは
250?オートバイの駆動輪を
ブレーキでロックさせてスッ転んどいたよ
ずたぼろで
わらいごとだ
すこし痛くて
右肩が
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