香/フクロネヅミ
 


形を考えながらずっと座っている


 傍で
 少し離れた傍で    
(本当は、うごけないのかもしれない)






朝が
誰より早く
きみを焼き抱いて(いだいて)

燃えては枯れる
深い緑が
思い出分だけの芝生に見えた


 きみは庭に寝ているのか


場違いな言葉をかけてあげたい





滲みるほど浴びた
匂いは
忘れない と
いえる


十一時
四十七分


 形は変われど。


 
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