一行詩十篇(滅びゆく民)/板谷みきょう
伝えきれない切ない想いを 見付けて欲しくて…
地下街を歩き回る雨でも不思議 恋し空
もっと静かに傷の癒えるのを待とう どうせなら一緒がいいな
いついつにどこどこで…って。いつも言えたら素敵なのに
はき違えとすれ違い 報われない優しさに
埋められない想いだから 何度でも「愛してる」
伝える想いは 誰とも競い争わない 深く静かに呟こう
「くちびるさむし あきのかぜ」想い馳せるは君のぬくもり
明るい世界を あてどもなく 滅びゆく民の 放浪う
つれづれなるまま 絡まり繋がる指に 宵闇の細き月影
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