花/蒼木りん
 
くだらない男が鎌をかける

私の薄い笑みは

その通りの意味

別の女に声をかけても

あなたのくだらなさが増すだけ


私は 

風を纏う

なびく髪は

そのうち切るから

もう目の前に現れないで


満月が

醒々と昇る

濃縮された香りを少し

耳の後ろにつけ

あの日の幻に唇づけする


すがる

夜のようなものを振り切って

明日に向って歩き出せば

私は

世界でひとつだけの

花になる


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