みず たま/はな
ほら みて
ふってるよ
と
あなたが言う
窓の外をみると
ぎゅ っとひざをかかえた雪
みたいな雹が
こつこつと
じめんにおちてきた
なんだろうね これ
ひょう でしょ ひょう
ひらたくした手を
窓にならべておしつけて
こつこつと
どこか ずっととおくのドアを
たたくような音を
見下ろして
いつも
あなたのとなりに
あたたかい みずうみがある
わたしの声は
あなたに触れるたび
すこしずつ
たいくつになってしまった
かも しれなかったけど
空が青くにじみ
みずたまもようの ざらざらの風が
窓から抜けていく
あしたは
あなたが仕事にいく
ちいさく
ちいさく
まほうのことばを
口にして
それはやっぱり
たいくつかしら
そんなふうに
ちょっと
笑ってしまうくらいに
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