レジスタンス/狩心
目に受け止めた
お互いのすべてを理解し合う事だけが
相性の良さではないと知った
彼女は毎朝、呪文のように呟く
「あなたの心を温める為に、今日も生きる」
まるで精神がおかしくなってしまった人のように
何度も何度も繰り返すのだ
そして毎日、レジに立ち続けている
コンビニのレジからスーパーのレジ、
レストランのレジから雑貨屋のレジ、
どんなレジでもやった
レジであれば何でもいいのだ
レジのスタンスで生きる彼女は言った
「あの時の出会いを、忘れたくないから」
彼女は病的におかしい
おかしいが、俺はそれを笑えない
笑えないから自分でギャグを言う
無論、誰も笑わない
たぶんこのままずっと、
一緒に生きていくと思う、
君がレジを叩く
音に合わせて
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