月見 我が家の天才詩人/里欣
 
ぐや姫の話し知っている、月からお迎えがくる
 連れ戻すのだ、見てママ、月がどんどん離れ行く
 かぐや姫がどんどんいった」
 そして、我が家の天才詩人は
 セクハラ風に私の胸へ手を伸ばしてくる

 話しながら、昔は二人でこんなふうに
 月を見てたような気がした
 錯覚だ。
 白黒世界しか見えない科学の犬が私に吼えている
 でもそれでいいだ
 この時空に
 私は確かにたどり着いた

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