思春期/九鬼ゑ女
 
踏み入れたのは無限の限界
ありとあらゆる瓦礫に埋もれた現実の前で
ボクらはウズクマル                        
時盗人がフォルテシモで鍵盤を滑り落ちる /ときぬすびと

ああ、どこまで墜ちるのだろう… 

真実はひとつだと
野次馬は途切れることなく
雑音だらけのマイクを手に
海馬にフラッシュを浴びせ
 
ピントの外れた映像は
選ばれしカリスマたちの
煌びやかな上っ面を
見せまくるから
吐瀉物を溜め込んだココロが
ハイテンションのまま上り詰めていく

ああ、どこに逝き着くのだろう…

実際の不手際が時間の行く手に覆い被さる
それでも遮られた未来のむこうで
招くのは
連鎖の輪

ずるずると引きずられたオトナたちの群れが一斉に  
……ボクらを凝視する


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