予感/宮市菜央
 
見慣れた鳥が私の前をかすめて
心の影をくわえました
鳥は私の上の枝に止まり
影を飲み込みじっとたたずんで

やがて大きく揺らした羽根から
虹色の砂粒がさらさらと舞い散ってきました
氷柱がしたたり融けてゆく 春のひさしのように

鳥はやがて飛び立っていきました
何かを捜し求めているように

振り返るとあなたが立っていて
微笑んでいました
「ドライブに行きませんか?」

私には分かっていました
さっきの鳥はあなたでしょう?

私には分かっていました
きっと私たちは結婚するでしょう
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