さがしもの/フクロネヅミ
書店で
なんとなしに手に取った本を
逆さまにして振ってみた
パズルのようなものが降るかと思ったのだけれど
うんともすんとも言わずに
いや、空気はすんすん言っていた
なんだ
がっかりする
詩を書くから
詩人の本なんて触ってみたりするのだけれど
これがまた
腹が立つ
肉まんください
今ありません
と、コンビニで断られるくらい
腹が立つ
てめぇ、このやろう
と、改行に向かって言ってやる
人の顔ない本だから
面と向かって言ってやる
返事もない
のれんに なんたら
かな
参った
匂いをかいだら
ヌ
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