かぜになる/アオゾラ誤爆
 
かべている/空。
束ねられた収穫の象徴からめをそらしてコントラストの低い路地へ、迷い込む
きみは/逃げる。
坂道をかけのぼったさきの、子供たちがいる公園で、あらゆるものを切った/シャッター
それでも絶えない花の色に、身を寄せている。



どこかへ、どこかへ

こういうとき口笛ができればと、いつもおもっている。/眩しくて潔く目をとじる
陽はもう当分さめない。
すべてを追い抜く覚悟でもって、きみは逃げる
新聞紙がさすらえてゆくように、空き缶がころがるように
きみは/逃げる
ほどけたままの靴紐を無視して/きみは逃げる
球体をたしかに感じている。今日の空に、適当に名前をあげた。/きみは逃げる
かぜに/なる。



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