かぜになる/アオゾラ誤爆
 

ゆるされない原色のスニーカーをはいて/きみは逃げる。
閉ざされた校門をぎい、と引いて赤錆にふれる。
チャイムを背中に叩きつけられながらそうっとすきまを抜けていく。
クラスメイトの顔はもう忘れることにして、小走りで空気をさいていく。爽快。
ほんのすこしの罪悪感をまじえながらいきをはく。
決してふりかえらない。
きみは逃げる/月曜日の午前11時。

道端に伸びているよく知った、青々とした草/名前はしらない/をちぎっては放り投げる、
どこにも届かない気がしている。すべてを追い抜く速度で飛んでけ

うしろへ、うしろへ

ながれていく景色の完成を待たずに次の
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