美しき祖母よ/黒猫館館長
(2007年9月18日深夜、祖母倒れる。
救急車で病院に搬送される。
四時間にも及ぶ大手術の上、奇跡的に生還。
しかし今後の歩行ならびに常人としての生活は困難である、と医師に宣告される。)
エレベーターが大病院の四階で止まる。
スー、音もなくエレベーターのドアが開く。
ツン!と鼻につく消毒液の臭い。
白衣の看護婦たちが行き来する。
そこは救急病棟、しかも重篤患者のエリアである。
まるでSF映画のロボットのように身体のあちこちにチューブを差し込まれた男。
呆けたような顔で寝そべっている寝たきり老人。
どの顔もどの顔も根底にあるのは絶望だ。
生きる気力を失
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