ふるえ/
亜樹
声というのは
ふるえです
静かな水面に
小石を一つ
落としたような
円く広がる
その道のりで
小さくか細く
なりはしても
どこまでもどこまでも
同心円状に続いていく
とてもタチの悪いふるえです
ですから
君から
遠く離れたこの場所で
密かにつぶやく
一言が
そのうちに君に
届くやもしれないと
思うとひどく
おそろしく
今日も口をつぐむのです
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