水瓶/白川水
 
昔々、神様は水瓶に時間をたっぷりと注ぎ淹れた。
止めどない亜空は今や豊饒たる永遠に満たされている。
境たる水面は人知らぬ神秘の相を映しながらたゆむことなく静かに揺らめく。
この眼に映る空は澄み切って透明で、まるで大海を鏡映しにしたようだ。
遠く、遠くまで世界は拡がり続ける。
私たちの想像が追いかけきれない位まで、限りなく無限に近い深さまで。
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