親愛なる友へ/玉兎
 
なり、
 私は驚いてしまいました。
神という絶対的なものを神は否定したのです。
びっくりした私を神はしばらく眺めておりましたが、
 視線を下界へと再びおもどしになりました。
神も人のように自分の存在を不安に思うものなのかと失礼ながらもそう思い、
 少し神という存在が近くなった事をうれしく思いました。
    「人と神はどこが違うのだろう。同じようなことに悩み、
               同じ様な姿をしておるというのに・・・」
私は今度は、とまどってしまい雲から落ちそうになりました。
あなた様は、私の服のすそをつかむとぐいっと引っ張って下さいました。
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