感動する体/狩心
自分が否定されない場所に逃げ込んだあなたは
人に干渉しない場所に逃げ込んだ
特に些細な事では感動しなくなった
今にも崩れ落ちそうな自分を
冷静であるかのように装った
あなたは文字を書き始める
そこがあなたの唯一感動できる場所であるかのように
そこが世界のすべてであるかのように
あなたは自分の問題に取り組み始める
あなたは世界の問題に取り組み始める
筆を止めて、ハッと我に返ると
利き腕だけが脳とは無関係に動き続けている
利き腕じゃない方が徐々に腐り始めている
体の半分が動かなくなり、外に出て行けなくなる
あなたは助けてくれそうな誰かに電話を掛け始める
今更、誰か
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