うたううた/みちる
 
青色へ 崩れおちゆく
世界はただ
切ない音色を奏で
それは私の心を震わせる

未来への約束を破ることさえ
厭わない
明から暗への埋没


通りすがる母と子の
健康な残り香に
私の胸は焦がされる

憬れるように もしくは 憎むように
熱く濡れ熱く干上る心


終わりのない焦燥と
止どまることを知らぬ欲望と
何がしかの切なさと

すべての狭間で私はいつも窮屈になる


だからこそ私は
謳うのをやめられないでいる

そしてまた再び
新しい世界の鼓動と息遣いに触れて
うたを謳ううたになる
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