螺旋/ワタナベ
 
八月はしづかに
葉先からくれないに燃え
白い節くれだった骨になる
そのつつましさの中に
芽吹こうとする強い意志を隠しもっている
漂流する鳥たちは
わずかの間のよすがを求め
自らの骨のゆめをみる

アルジャーノン
知ることがぼくの苦しみだとするなら
ただ季節のうつろいに体をあずけ
あるがままの骨になることが
やすらぎなのだろうか
ぼくの骸を苗床に
咲く一輪の花のうつくしさを
ぼくが知ることはない

歩くたびに
たんぽぽの綿毛がふわりふわりと舞い上がってゆく
素足にのこる確かな葉の感触と
地平線まで続くたんぽぽの草原
そのすぐ上はもう宇宙だ
綿毛はどんどん
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