せつなに謳う/
みちる
わたしは
とらえたものを
ひとつ ひとつ
千切って 割いて
溜め息の風に
流します
永遠は
はかないもので
だけれども
信じずにはいられない
だからわたしは
こゆびの見た夢に
ひとつ ひとつ
キスをして 破って
なみだの海に
流します
この世の果てに
しあわせ、があると
あやうい嘘を
見破れないままに
わたしは
哀しいいきものでした
戻る
編
削
Point
(2)