どうでもいいから口笛吹こう。/三条
昨日は泣く暇もなく寝てしまったから、少し体が重い。
生きることの意味とはなんだと、口々が問うけれど、きっと答えを知っている人と出会うことはない。だって、きっとみんな死んでいるから。
どうでもいいから口笛吹こう。
意味なんてないんだ。ただ、死と生は相互に依存しあっている。生きたくないから死ぬ。死にたくないから生きる。
死ねるから死ぬ人や、生きれるから生きる人なんて稀なんだろう。
どうでもいいから口笛吹こう。
ベランダの向こう側で考えた。《死にきれなかったら嫌だな》。
薬を前にしても同じことを考える。包丁も。コンクリートも。
人間には制御がかけてある。
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