えうろぱ/山中 烏流
 
 
始まりの光に溶けた
水平線と/空の境界面は
鐘の音を待ちわびながら
一つに交わっている
 
海が母なのだとしたら
空は父なのだろうか
私たちはみな、
その交わりを経て
生まれたのだろうか
 
 
 (降り注ぐ雨は、
 (種子なのかもしれない
 
 
******
 
 
えうろぱ、
温かい頬に触れたのち
それが絵画であることに気付き
恥じらいを覚える
 
林檎をかじることが
罪なのだとしたら
この頬の火照りも
罪ではないのだろうか、
 
 
******
 
 
陽光
見開いた目を、刺している
 
私は部屋の隅で
朝の
足音を知る
 
 
******
 
 
えうろぱ、
 
鐘はまだ
静かに鳴っている。
戻る   Point(5)