あの頃の私/明楽
 
あの頃の私は
お父さんはなんでもできる
と信じていた

あの頃の私は
日本が一つの星で
アメリカが一つの星で
その間を新幹線が
走っていると信じていた

あの頃の私を
懐かしく思い出しながら
今の私に思いをはせる

お父さんは万能じゃない
日本もアメリカも
一つの星の上にある
国の一つだとわかった
もちろん新幹線で
繋がってなんかいないのよ

あの頃の私は
世界なんて 世の中なんて
自分の手のひらぐらいも 知らなかった
でもそのかわり 
自分の世界は 青空とおんなじくらい
持っていたと思う

あの頃の私を
ちょっぴりうらやましく感じるのは
今の私が 手のひらぐらいしか
自分の世界を広げらんないからかな?





2000


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