世界の終わり/アオゾラ誤爆
 
る 
なんだか今日は街のいろが 
すこしおかしいみたいだ 
空のいろが 
いつもより鮮やかに見えるんだ 
そう言った焦げ茶の目が 
ぐるぐると空中をさまよう 
これで最後なのと告げた 
私のこえすら聞こえない 
そぶりで 
・ 
世界の終わりはまだこない 
黒々と散らばる点 
羽根のない鳥たちが 
急降下でゆうがたを裂く 
やっと視線をしたにうつせば 
ことんと軽く鈍い音 
ぼんやりと視界にひそむ 
少女のようにか細い腕は 
やけに正確な仕草で 
ベージュのほうのマグカップにだけ 
真っ白な結晶を沈める 
それでいい 
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