「 たぶん 」/椎名
 
じっとりと汗ばむ空気の中
君の寝息だけが聞こえる空間
その中で何を想おう

遠い未来のこと
それとも明日の僕らの関係

平和な顔で眠る君は
どんな夢を見ているのだろう

じりじりと焦る気持ちに拍車がかかる
時計だけが確実に時を刻み
未来へ向けて歩を進める

何も成し遂げていない
何も掴めていない

不確実な約束に
いっぱい夢を膨らませてきた
今更
確実なものを求めるなんて
タブーだったよね
僕らの間では

平和な顔で眠っている君を見ていると
何だか恨めしくなってくるけど
いいよ
そうして眠っていて
明日はやさしい笑顔を見せてくれ

それだけでまた歩き出せる
そんな気がする


たぶん


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