世界は終ってもいいので/まんぼう
 
・・・世界は終ってもいいので、そこの処をひとつ宜しく 
夢の中で頻りにお願いしていたのだが
目覚めたら、何を頼んでいたのか、忘れてしまった
思いっきり悪党ずらをして、
そこのところをひとつ・・・、と繰り返すのだが
さて、なにを頼んだのか
臆病者だから、たいしたことを頼むはずは無いのだが
それともうひとつ
いったい誰に、頼んだのだか
 
あさっぱらから、ひとしきり考えて
やっと思い出したのは
ひどく生真面目な顔つきで頼み込んでいたという事だけ

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