夢で。/三条
あなたはプリンを買ってきた。
一番小さなコンビニ袋をひょいと持ち上げる。
困ったみたいに笑う。
かわいい奴め、とわたしは思う。
「信号の赤がさ、怖くてさ」
誰かも言ってたな、そんなこと。
テールランプも怖いって。
赤いと怖いのかな。
わたしも怖いもんな。
長い、柔らかな毛を撫でる。
犬か、お前は。
擦り寄ってくる。
犬だな。確定。
キスする。
犬だったら病気になるな。
お前が人間でよかった。うん。
信号の赤より、怖いものを教えてやろう。
お前が帰ってこないことだよ。
それは永遠赤信号が変わらないみた
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