初めての死/明楽
 
葉と
細かい 黒い虫にまみれた鳥

確かに生きていた
動いて鳴き
えさを食べていた
動いていた
生きて動いていた
何で動かなくなったら食べられるんや
何で虫が出たり入ったりしてるんや
そこには丸い瞳があったはずやろう
涙がこぼれた

鳥を食べていた虫
せっかくチューリップの葉に
包んで埋めたのに
私のした事が台無しにされたようで
悔しくて 悔しくてたまらなかった
そして もう鳥は二度と動く事はないんだ
ということが悲しかった
悔しくて悲しくて泣いた
目の前の動かない鳥が
繰り返しのない終わりの存在を告げた

幼い頃お父さんは万能だった
裏庭でカラス
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