どうしようもない私だから/明楽
 
どうしようもない私だから
どうしようもないくらい
人の役に立たない私だから
せめて死んだ後くらい
人の役に立てるよう
私が死んだ後
私の体を利用してください

自分があきれられるほど
他者の役に立たない奴だと
一人涙した後にすぐ
私は朝ごはんのためお米をといだ

心がぎゅっとなっても
食べる事を考えた私
心がぎゅっとなっても
私は食べるんやな

お米はおじいちゃんが作ってくれたお米
着るもの住むところ
お父さんお母さんが働いて
私のためにお金を用意してくれる

私は?
私は誰のため何をしているの?
塩水が一粒
お米の上に落ちた

私はまだ人の役に立っていない
これからひょっとしたら
何か役に立つ事があるかもしれないけれど
ひょっとしたら
役立たずのままかもしれない
役立たずのまま人生を終えるのは
大きな心残りだから
せめて私が死んだ後
私の体を利用してください




1999

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