祭の後/明楽
 
時計の針が突き刺さって
シャボン玉は割れた
中の空気と外の空気が交じり合って
辺りを静かに漂う
熱を冷ますように
わずかな水分が空から降りてくる
心がほんの少し重くなる

シャボン玉が割れたとたん
急に祭は遠ざかって行ってしまった
遥か彼方の過去に
まだ見ぬ先の未来に
今はもう祭の時ではない
日常への帰還前
心の整理をあれこれつける

しっとりとした
祭への未練を感じながら
後片付けと明日への準備をする




1999


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