空礫/朱雀
 
空礫(そらつぶて)


逝く夏の けわいに歌う影法師

諦念(ていねん) 観念 綯(な)い交ぜの

見果てぬ夢を引き連れて

尻切れトンボの数え歌


陽炎(かげろう) 稲妻 水の月

虚しき空に礫(いしつぶて)

形見の色の残映が

モノクロームに くしゃりと歪む


風息(かざいき)に奪い去られる別れ際

煤けたトタン塀を背に

荒れた空き地に咲く百合の

潔さが胸を突く

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