。が打てない僕がまた、を打つ日/
 
った。
旗から見れば、可なり変な光景だ。
だけれど、こうした僕らの日常の攻防戦は、地球に害を及ぼさないというところで至極、優しかった。



君がふと睡りについてからというもの、月夜の晩は時代錯誤の双子みたいに記憶が無意識に、指先が君を模倣させる。
影絵が好きだった君。
ただ一つ違うのは、僕の狐はいつも溜息を吐いていると言う事だ。
子供の振りした掌に、染み着いた焦燥。
そうして暫くベランダに出ていると、雨に濡れた洗濯物が風に吹かれて揺れる。
僕はそれを合図に独り、部屋に戻り文庫本を開いた儘、少し遅れて死んだように睡る。

夢の中の白い蝶は、僕を置いて深い闇の中に姿を眩ました。


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