失意(望郷)/
 
シーンを模してみるのもいい
でも結局は その直前を見送った
ダスティン・ホフマンこそ、僕なのだろう


祭りの帰り際に、警備艇での湾内周遊を勧められた
最大20人収容の船内客室には、僕と家族連れの5人だけ
ビニールシートの臭いで船酔いしそうになり、外に出た
足元に広がる、黒い波
僕は天草四郎じゃないから、ここを歩いて行けないんだ
当たり前のことなのに、とても悲しくなった
溺れる自分を想像してみた
とても、無様だった





                        (2003/07/21)

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