私が殺したいのちたち/池中茉莉花
 
ちっちゃいころ、セキセイインコと暮らしてた

空色のチーちゃん
チーちゃん、チーちゃんおはよ 
いろんなことばを 覚える いい子ちゃん

チーちゃんは 粟をつつく
粟が少なくなったら、わたしが入れる

だけど、チーちゃんの粟はなかなか減らなかった

ある日、鳥かごの下にチーちゃんが
ころん、と 死んでいた

父も母も「餓死しちゃった」と言って怒った
「えさの殻だらけだったよ」と

わたしは ぎゃあぎゃあ泣いて騒いだ
また買ってね、チーちゃんまた買ってね

そのうち、またうちにチーちゃんが来た

今度のチーちゃんは、菜の花色のチ
[次のページ]
戻る   Point(0)