私が殺したいのちたち/池中茉莉花
ちっちゃいころ、セキセイインコと暮らしてた
空色のチーちゃん
チーちゃん、チーちゃんおはよ
いろんなことばを 覚える いい子ちゃん
チーちゃんは 粟をつつく
粟が少なくなったら、わたしが入れる
だけど、チーちゃんの粟はなかなか減らなかった
ある日、鳥かごの下にチーちゃんが
ころん、と 死んでいた
父も母も「餓死しちゃった」と言って怒った
「えさの殻だらけだったよ」と
わたしは ぎゃあぎゃあ泣いて騒いだ
また買ってね、チーちゃんまた買ってね
そのうち、またうちにチーちゃんが来た
今度のチーちゃんは、菜の花色のチ
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