祭/明楽
 
見慣れた空間に
立ち並んだ仮設店舗
当日露店商が
人懐っこさや笑い声
異国の音楽 歌なんかを
私たちから引っぱり出す

体からちょっとづつ
一人一人からちょっとづつ
溢れ出したエネルギーが
笑顔とざわめきを吸いこんで
シャボン玉のように
辺りを包み込んでいる

シャボン玉がわれるまで
中の空気が逃げ出すまで
祭はつづく 祭は続く
その時まで
この空気を満喫しようか
限りある空間の中で





1999

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